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会計不正による課徴金額の上位5社と課徴金の算定方法
会計不正がニュースで取り上げられた後、しばらくしてから課徴金の額が数十億円に達したという報道を目にすることがあります。皆さんは金融庁がこの課徴金納付命令の一覧を公開していることをご存知でしょうか。
課徴金の納付額TOP5
この一覧を基に、会計不正に関連する課徴金の納付額トップ5をまとめると、以下のようになります。
順位 | 企業名 | 課徴金金額(万円) | 概要 |
1 | 東芝 | 737,350 | 工事損失引当金の過少計上及び売上の過大計上を行ったほか、映像事業、パソコン事業及び半導体事業等の一部において、売上原価の過少計上、費用の過少計上など |
2 | 日産自動車 | 242,490 | 取締役報酬の過小記載 |
3 | ジャパンディスプレイ | 216,333 | 架空の期末在庫の計上による売上原価の過少計上、販売見込みのない在庫の評価損未計上による売上原価の過少計上、収益の認識基準を満たしていない売上の計上、固定資産の過大計上等 |
4 | JVC・ケンウッド・ホールディングス | 83,913 | ・負ののれんの計上及び償却による利益の過大計上並びに正ののれんの不計上及び一括償却による損失の不計上 |
5 | 日本ビクター | 70,760 | ・減損損失の不計上 |
上記ランキングを見ると、会社規模の大きい会社が上位にランクしている一方、比較的小規模の会社でも、課徴金が高額となるケースがあり、疑問に思ったため、次項で課徴金の算定方法について、解説します。
課徴金額の算定方法
金融商品取引法によると課徴金の金額は以下のように算定されます。(https://www.fsa.go.jp/sesc/support/kaiji-ihan/sanshutsu.html)
1. 発行開示書類の虚偽記載等(金融商品取引法第172条の2):
虚偽記載のある発行開示書類を提出し、有価証券を取得させた発行者や、その役員等が課徴金の対象となります。
課徴金額は、募集・売出し総額の2.25%(株券等の場合は4.5%)です。
2. 継続開示書類の虚偽記載等(金融商品取引法第172条の4):
虚偽記載のある有価証券報告書や四半期・半期・臨時報告書を提出した発行者が課徴金の対象です。
課徴金額は、市場価額の総額の10万分の6または600万円のいずれか高い額で、四半期・半期・臨時報告書の場合はその半額です。
※いずれも自発的な報告により半額となる減額制度あり(金商法第185条の7第14項)
上記からわかる内容は以下のとおりです。
課徴金の額の算定は、不正の態様や不正の規模には左右されない。
発行開示書類の虚偽記載は株券等の場合4.5%と非常に大きい料率の課徴金が課されるため、資金調達時に会計不正を行った場合、課徴金が大きくなる傾向がある。
継続開示書類は、市場価額の総額に比例するため、企業規模の巨大な会社が、過去継続的に不正を行った場合、課徴金が大きくなる傾向がある。
課徴金TOP5の事例に当てはめて確認してみましょう。
合計で24億2,490万円の課徴金が課されています。
発行開示に関する課徴金は14億625万円です。これは、不正が行われた期間に発行した社債の総額1,250億円に対して、2.25%に相当する額である28億1,250万円が、減額制度により半額になったものです。
継続開示に関する課徴金は10億1,867万円です。これは、不正が行われた4期間の市場規模の合計1兆9,310億4,108万円に対して、0.006%に相当する額11億5862万円が減額制度により1期間分のみ半額に減額されたものです。
不正会計期間中に1,250億円の社債を発行し、さらに企業規模が大きく、4期間にわたって継続的に不正会計を行ったため、高額な課徴金になりました。
合計で8億3,913万円の課徴金が課されています。
発行開示に関する課徴金は8億3,613万円です。これは、不正が行われた期間に発行した株式の総額185億8,088万4,000円に対して、4.5%に相当する額です。
継続開示に関する課徴金は300万円です。不正が行われた1期間の市場規模合計額に対する課徴金が最低額の300万円に満たなかったため、300万円が課されています。
*この事例は法改正前のため、料率や最低額は現在の「課徴金額の算定方法」とは異なります。
市場規模が小さいため、継続開示に関する課徴金は300万円と少ないですが、不正会計を行った期間中に185億円の株式を発行したため、高額な課徴金になりました。
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